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子供向け番組/映画などの話

ソング・オブ・ザ・シー 海のうた

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『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』は、2014年に発表された、アイルランドの長編アニメーション映画である。日本では2016年8月20日に公開された。アイルランドに伝わる妖精、セルキーの母親と人間の父親の間に生まれた兄妹の冒険が描かれる。(ウィキペディアより)

 

妹が生まれた日に母さんが海に消えた。僕と父さんと全く喋らない妹の3人暮らし、母さんはなぜ僕たちを置いて行ったんだろう。妹が浜辺で倒れていた日、急に僕と妹は都会のおばあちゃんの家に預けられたけど、家に置いてきた愛犬が心配で2人で抜け出した…帰り方はわからない…不気味な影が僕たちを追いかけてくる。

…という、出だしからして寂しい!恋しい!なんで?どうして!?と鬱屈しつつある主人公、出て行った妻(精霊)を今も愛し忘れ形見の子供達を抱えて海辺で暮らして待ち続ける父親の心のすれ違い、時を同じくして精霊の力が目覚め始める妹。

 

4〜5歳からでも大体わかるお話ですが、ここはあえて高学年にも観てもらいたい。どの外国作品も異文化の中で作られているせいかそこかしこに「外国ぽさ」を感じますが、こちらはアニメーションの中に古い魔法の気配や伝説の形跡が見られる美しい動く絵本のような作品です。

 

自分の好きな絵本には2種類あって、1ページ1ページめくって次の場面に移っていくのが楽しみなものとページをめくる感覚がなくなるものがあります。この映画はめくる感覚がないのに近い(巻物状に見える)絵本のような感じです。

絵本は1ページごとが物語の一場面をデザインした絵画だと自分は思っていて、この作品はそれがとてもシームレスというかどのフレームで止めても絵画のようでとても好きです。デザインや色使いも独特で、海や不安感のあるシーンの描写などがおきにいりです。

 

5歳と8歳はかなり深刻な表情で視聴しており、時々「こわい…」と呟いたりしていましたが最後まで観られました。10歳も「良いお話しだったね」とのことです。

 

子供達がストーリーを楽しめる作品としてクレヨンしんちゃんドラえもんが安定感があり悩まず子供達に観せることが出来て優勢なのはわかるのですが、様々なデザインや表現に出会って欲しいので「今日は大人からのオススメ映画でーす!」と宣言して色々流しています。(読書と同じで映画を観ること自体も向き不向きや発達具合が個々人で違うので、子供が飽きたら切り上げたり大人だけ最後まで観るなり適宜よろしくどうぞ)