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子供向け番組/映画などの話

ヘレディタリー/継承

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はいダメですよ16歳未満は回れ右です。

ミッドサマー観たら、やはり、ついつい、どうしても!気になるじゃないですか!

アリ・アスター監督って他にどんなの撮ってるの?え、全然まだ本数ないじゃんすぐ全部観終われる数だよ!?え〜観ちゃう?!?!ってね、検索すれば即解ります、この世界に名だたる恐怖映画「ヘレディタリー」がいつでも観られるということが!!!もう気になって気になって数日間悩んだ挙句指の隙間から薄目で鑑賞。

序盤かなり緩やかに不穏な空気を醸しつつ中盤手前から転がり落ちるように悪夢的展開、後半は最早どうなってるのかなんて怖くて直視できないのでテレビの枠外に焦点を合わせて画面をぼかしつつセリフに耳を傾ける作戦を展開するなど自分の好奇心とその後の生活を天秤に掛けて小まめに眼球をコントロールする必要がありました。

 

遺体…の描写とかはそんなに…そんなにか…?ちょっと事故で切断した後に放置しちゃって虫が…というシーンがあるので、小さい虫に集られるの気持ち悪いな怖いなという人には厳しそうです。他の場面でも少しだけど数回虫が出てきてました。

最初の視点が主人公かと思いきや、ちらほら視点を変えながら話が進むので誰とは言いにくいのですが、表情で事態のヤバさを表現している部分があるのでグロさはそこまでじゃないかな(多分…)と思います(でも書いててわからなくなってきた)(とにかく顔が凄い)。

 

この作品もミッドサマーと同じように細かな設定と画面内の情報量がそこそこあるようです。というわけで考察ブログを巡ってきたわけですが、えっぐい!直接描写ないけどそんな設定が!あの一瞬映った本をそこまで訳したの凄い…!などなど、しかしまあその辺が気になる方はまず映画をどうぞ。読んでから観たら少しつまらないかもしれないです。そして読んだからと言って怖さは半減しない。

 

ただここまで書いておいてどういうことなのと思われそうですが、観てる最中は怖いんですけど終わったら別にね…というか思い出すとちょっと笑っちゃうね…?どうです…?笑いませんでしたか…?

ここは未視聴のパートナーと少し話したんですが、生まれ育った環境に神と悪魔の概念がないとその恐怖に馴染みがないせいかわかりにくいのかなと。リアルで天井に張り付いたり首が360°回ったら泣いちゃうけど、四つん這いで高速移動とかは画面で見る限りギャグに見えてしまう。そんな感じです。(悪魔祓い映画「コンスタンティン」の地獄の風景は特に陳腐に感じてしまいます、厨二心をくすぐるような部分は大いに感じますが恐ろしさは感じませんでした。)

神に逆らう=天国に行けない、などへの根源的な恐怖感とかもあんまりわからないなと思うし(自殺が禁忌とか知識としてなんとなーく知ってるくらいでしかない)。

ジャパニーズホラーにも理不尽な呪いのお話とかありますが、基本的には「その事の起こり」に人が居て、その人物が祟るとか思いを残すとか何とかっていうのがスタートであることが殆どだと思うんです(とはいえ邦画もホラーも滅多に観ないので詳しくないから印象なんですけど)。呪いなり何なりがある種のキャラクター「人が居た/元々は人だった」という設定が鑑賞者の日常の地続きに感じられ身近な恐怖として育っていく、そういうお話が多いことにプラスして絶対的な救いを授けてくれる唯一神的存在のない雑多曖昧多神教な環境。さらにアジア圏はその神こそが残酷で災いをもたらす存在であるようなお話も少なくないとか、妖が天使や神と紙一重のような場合だったりとその辺の「物語が持つ死生観に関わる部分」が全く違うことで恐怖の肌感覚も変わってくるのかなあ…などとパートナーに語ったのでした。

 

今作も、というか鑑賞順序が逆なのですが「ミッドサマー」のレビューに書いた通り『アリ監督の作品は鑑賞者のifも飲み込む濁流で呪いのごとく決定された結末になだれこむ物が基本系なのかも』という感想を強めるものでした。

起承転結の「起」は昨日今日の話ではなく、綿密な計画によりもしくはそれを引き継ぐ者が多数いるため抜け穴がかなり限られており映画そのものは切り取られたごく一部の「仕上げ」なのでそこはもう大きな渦の中心になっていて到底抜け出せるようなものではない…そんな風に作られているのかなと。

 

実は他にも数点気になる部分があるのですが掘り下げるには些か情報と知識が足りないので当面心にしまっておきます。

さて、鑑賞し「びえええ死んだァァ」などとひとしきり恐怖した後は、インスタでチャーリー役のミリー・シャピロをチェックすると心が落ち着きます!

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